コルバニ・イード

みなさん、イードって聞いたことありますか? イードというのはイスラム教の大切なお祭りの一つです。イスラム教について少し知っている人ならばラマダン明けのお祭りのことをイードというのはご存知かと思いますが、なんとこのイード、2種類あるんです。

一つが前述の通り、ラマダン明けのイード、そして二つ目が犠牲祭とも呼ばれるもので各家庭が経済状況に応じて牛やヤギを生贄としてささげることになっています。 バングラデシュではまさに今日からこの犠牲祭が行われているので町中に牛がたくさんいます。 店長実家のアパートの駐車場にもこの通り。

生贄にする動物は4つ足のものと決まっていて、牛・ヤギのほかにラクダでもよいそうです。 また、それぞれ「誰のため」とノミネートすることができて、ヤギだと一頭につき一人、牛だと一頭につき5人までOKなのだとか。
牛のお値段は安いもので25,000タカ~100,000タカ(日本円で約3.5万円~15万円弱)で、その値段は自分が払える最大の犠牲(値段)が望ましいとのこと。

というのも、ムハンマドはある日神様から「息子を殺すように」という啓示を受けたのだそうです。神様のことは心から信じている。神様のおっしゃることだから何か自分にはわからない深い意味があるには違いない、でもさすがに自分の子を殺すことはできない…と悩んでいるムハンマドに息子が「お父さんが悩んでいるのはわかります。でも神様のことは自分も信じているからどうか自分のことは気にせず、神様のおっしゃるとおりにしてください」といって自分の首を差し出したそうです。そしてついにひと思いに実施して恐る恐る目を開けるとそこにはラクダが代わりに死んでおり、神様から「お前が神を心から信じていて、とてつもない犠牲を払ってまでそれを実践しようとしたことがこれでよくわかった」と言われたのだとか。

それ以来、神様への忠誠を示すために最大の犠牲を払うことが求められるようになったのだそうです。犠牲となった牛やヤギの肉は大部分を貧しい人に分け与えるためこの時期、お金持ちの家にはたくさんの人が集まって数キロ~数十キロ単位でお肉を持ち帰っていきます。